2010年9月30日木曜日

映像

映像。
そして動画。 動画と書くとアニメみたいだ。。。。
映像も静止画の連続なので、広く捉えればアニメーションかな。
本当のアニメの意味は、アニマが宿ったもの。
動かない物がアニマ(生命)を宿して動くことですよね。

はい

今、映像作品をつくる準備をしています。
もうね、HD化するには 全取っ替えです。
After Effects CS5 , Photoshop CS5, Illustrator CS5 のアカデミックを買います。
(そのために放送大学に籍を置いたのは内緒です)
今だにPowerBook G4なので、 Macも買い替えです。
デジタル一眼でHD動画撮れるのは凄いですよね。
長回しはセンサーが熱でやられるらしいので、ワンシーンワンカットは難しいみたいだけど。

もともと、私は映像で生業を建てていました。
映画の自主制作なんてことを大学の頃は本気でやってしまって、
その流れで某CG会社でテレビのCGをつくっていました。
モーショングラフィックスとか、スーパーとか、スウォッシュとかいう奴です。
スポンサーロゴのパス取りもやったなあ。。。マスクいっぱい切ったなー。。。。

でも、CG嫌い! アンゲロプロスとかカウリスマキが好きな映画青年だったから当然なんですけどね。 で、いろいろ考えたあげく渡英して、 ファインアート(美術)を学びました。
PCとかのデジタル技術は作品制作へはほんとに使いませんでした。
仕事で扱ったようなクオリティのある映像は、アートだと無いんですよ。
ヴェル ビオラ?とか映像美で魅せる作家は稀です。
日本だと高木正勝とか(CG屋に取ってみれば鼻くそみたいな技術だから)。
でもアーティストというのは実はアマチュアなんです。
大事にしているポイントが違うんです。
コンテンポラリーアートにおける映像作品の大体が記録として映像、
ドキュメンテーションなのです。メディアアート的なかっこいいものは、あんまりあんまりです。技術は問題じゃなかったりします。

ま、そういうわけで、イギリスにいる時は映像をつくる気にはまったくならなかったのですが、帰国してから、今なら新たな気持ちで映像をつくれるんじゃないかと思うようになりました。不思議ですね。

私の一つ年上の師匠!の矢後智之さんは映像を作品によく使うアーティストです。
スウェーデンのヨーテボリで活躍中のようです。
なんかいっぱいコンペで賞とかもらってるしー。
映像って出品しやすくていいよね! インスタだったら機材大変だけど。

俺もがんばるどー。

2010年9月6日月曜日

The artist's Joke by Jennifer Higgie

ホワイトチャペルギャラリー出版のシリーズ。今回はジョークについて。

"The Everyday" edited by Stephen Johnstone

例のホワイトチャペルギャラリーから出版されているシリーズです。

今、欧米でアーティスト及びアート関係者が考えていることがよーくわかる
このシリーズ。今回は"Everyday Life"、つまり「日常」に関して考察してあります。
多数のアーティストや批評家の論文をピックアップして編集してあります。

90年代に、各地のビエンナーレなどで「日常」を取り上げた作品が増えました。
素人が撮ったようなスナップショット写真、
アマチュアな作品、DIY的工作スキル
「日常」を展示するということはなんなのでしょうか。

"WHAT HAPPENS WHEN NOTHING HAPPENS?" (Paul Virilio)

以下の文章は、ソフィー・カルがホテルでメイドをして他人のプライヴェート(日記)を盗み見た作品の一節です。

I clean the room and start to read his diary. His handwriting is poor, heavy, irregular. I re-read his remarks about Venice: 'Sunday 15 February 1981. We arrived in Venice this morning. We took the train. it is really spectacular. No cars, just pretty little streets and small bridges over the canals. We sat outside and had drinks of various strange things. We went back to the hotel. i am in a tiny room by myself. Ran out and bought a kilo of oranges and apples and put them on my windowsill. We went out and had very good walk. I ate a good soup, noodles with tomato sauce, and drank a lot of white wine. Went to piazza San Marco, had a grappa. made me feel not too good. Went back to hotel C. I slept a bit. Rob and I went to strolling. Strayed at a bar and had a beer. Came back. Rob went up. Got a postcard from the desk and went to hotel bar and had a beer + cig. I wrote a long postcard to OI. Up to my room, had a bath, ate some oranges and apples, and will crash. I have told the desk to wake me up at 8:30...' Sounds in the hallway. I close the diary. As I put it down it down, someone enters the room. i pick up my rags, my bucket (where my camera and tape recorder are hidden), lower my gaze and leave.
(Sophie Calle, The Hotel. 1981 )

観客は、日記を他人に見られることの気まずさと、他人の日記(プライヴェートな情報)見ることの新鮮さを同時に味あわされます。


オサレな直島で口当たりのいい作品を見るのも良いでしょうが、欧米のアートシーンにおけるリアルな日常の意義について考えてみませんか。