2009年7月24日金曜日

The Art of Participation 1950 to Now published by Thames & Hudson

SFMOMA(San Francisco Museum of Modern Art)でNov 08,2008 - Feb 08,2009に開催された「The Art of Participation 1950 to Now」展のエキシビジョンのカタログです。カタログというと薄そうですが大型本で211pもあります。(参考リンクSFMOMA "The Art of Participation 1950 to Now"

このカタログでは、1800年代からはじまって、50年代に大きく発展を遂げたフルクサスのハプニングアート、そしてCGやWeb2.0を使ったオンラインアートまで紹介されています。

参加型アートというのは、今日ではもっとも自然らしいアートの形としてアカデミックであれアウトサイダーであれ広く普及しているように思います。作家が作品へ観客を参加させること、観客がどのように作品と接していくかについては、特に「参加型アート」とジャンル分けしなくとも、アートと向き合う時には作家と観客の双方が考えなくてはいけなくなっています。小説に読み手が必要であるように、アート作品が「見られる存在」である以上、観客を無視して作品は成立し得ないからです。

この本で特筆すべきは豊富な掲載作家及び作品です、ジョン・ケージ、オノ・ヨーコ、ウォーホール、ナム・ジュン・パイク、アラン・カプロウ、ヨーゼブ・ボイス、マリーナ・アラモヴィック、フェリックス・ゴンザレス・トレース、フランシス・アリス、アーウィン・ワーム、CGやWebで作品を作っている若手の作家などなど全部書きませんが、作品と紹介文付きで大勢の作家が紹介されています。超有名なスーパーアーティストを含みますが、かれらの作品の中から「参加型の作品」を選んで紹介されているので、あのアーティストこんな作品も作っていたんだ!的な発見もあるかもしれませんよ。現代アートに興味がある方にはもちろん、生徒に参加型アートに関して突っ込まれるけど実は良く解らないんだという教育者の方にも良いと思います。志の高い生徒の為にも、今すぐに大学の図書館に収蔵してあげて下さい。写真も多いし、オススメです。

あと、参加型アート(Participatory Art)の作品の紹介ではなく、文献や論文が読みたい方には、Participation edited by Claire Bishopもおすすめです。