2009年7月14日火曜日

「日本美術の歴史」 by 辻 惟雄

縄文文化から、「千と千尋の神隠し」まで範囲は広いですが読みやすい。日本の美術の流れを把握する為の本です。個人的には、文明開化後の西洋の美術の広がり方。近代化の為に急速に輸入された工業と並んで「技術」として広まってしまった「美術」という概念。洋画の急速な普及と衰退(ヨーロッパのアート哲学への不理解が原因)による洋画壇の苦悩。同じくして日本画の一時的な衰退と復権。日本美術を守るために美術学校(のちの東京芸大)の設立。といった現代にも連なる日本の美術界が今のような形になった理由が見えてきます。