世の中はうわべだけでもちゃんとしなきゃいけない、ため息。そうだよ家に帰ったら、こんなに汚くって薄汚れていて暗くて苦しくて絶望しても誰も助けてくれないし、貧乏から這い上がることなんて想像もつかないし、自分の生活もままならないのに結婚とか家庭とか子供とか、誰かを幸せにしたいだとかそんなこと考えること出来なくって、は?アート?。アートはなんか社会に貢献してくれてんのか!はあ?仕事で忙しいのに完成度の低いゴミみたいな作品!こんなもん見せやがってふざけんな。なにがいいたいかわかんねえよ、社会経験もないしバイトもしたこと無いくせにな、世の中について語ってんじゃねえよお!
と思ってる人に、知ってほしい。見つけて欲しい、あなたと同じハートを持ったアーティストもいて、少しは気持ちを代弁してくれているかもしれないことを。しかも評価もされている。
はい。そういうわけで、今回は、Santiago Sierraを紹介します。スペイン人のスーパーアーティストです。ヴェネチアビエンナーレや国際的なエキシビジョンでも常連の巨匠です。
お金で乞食や売春婦を買って刺青いれたり、黒人の髪を金髪にしたり、インドのうんこ処理カーストの労働者にうんこで作品をつくらせて有名ギャラリーで高額で売ったりやりたい放題。しかもアーティストとして有名な自分は労働者が得るものより多くのお金を得ることが出来るわけです。金持ちや権力が、弱者から搾取するという資本主義の現実を端的に見せつけます。
僕が個人的に好きなのは、アイドリング中の車をギャラリーの中に用意して排気ガスを外に放出させる作品。つまり、環境汚染とかそういう点ではありますが、アートが「影響」を社会に与えているわけです。あとは、ヴェネチアビエンナーレのスペイン館でやったスペインのパスポート所持者以外への入場規制。もしくは展示スペースがレンガでブロックしてあって作品が見れないなど。きれいごとで差別は良くないだのなんだの言うけれど、国籍の問題だけではなく、他者へ閉鎖的にすることや人を区別して優遇したり冷遇したりなんてのは起きている。という「現実」をつきつけてきます。
Sierraは人を安易に楽しませるような作品は作ってない。彼の作品を見たら考えさせられたりムカついたり嫌な思いをするんじゃないかと。そうやって自分を悪者にして、アートでリアリティを追求してるヒューマニスト。あんまり偽善者ぽくもないのもエライですね。作品の見た目は汚くて猥褻なこともあるけれど、きれいなアートだと思いませんか?
主に私が書いたアートに関する「批評」を掲載します。また、コンテンポラリーアートを理解する上で必要なアート理論(ART THEORY)や書籍の紹介をします。現代アートは難しいものではありません。今日から君もアーティスト
2009年7月25日土曜日
2009年7月24日金曜日
Installation Art by Claire Bishop
この本はインスタレーションの入門書とも言えますが、掲載作品の写真の割合が多いので専門書的な文章量を期待する方には物足りないと思います。基本的にインスタレーションを使ったアーティストの写真入りの紹介本といった感じです。参加型作品に関しての論文などのために購入を考えている方はホワイトチャペルギャラリーから出版されているParticipationというタイトルのクレアが書いた本を読んだ方がいいでしょう。
インスタレーション(installation)という展示方法もしくは作品形態は、90年代以降のアートの主流になりました。この本では、著名な批評家であるクレア・ビショップ(Claire Bishop)がアーティストやその作品について、インスターレーションという観点からの解説を試みています。
例えば、自然現象を再現した作品で知られるオラファー・エリアッソン(Olafur Eliasson)はTATE tubine hallでの太陽を模した作品を紹介。表紙は草間 彌生(草間弥生)のNYでの伝説のパフォーマンス。
展示方法を工夫した絵画や映像含めれば、全ての作品がインスタレーションとして扱われるようになっていますが、 敢えてインスタレーションという形態的な分類からの語り口でClaire自身が解説を試みています。なぜ現代アートにおいて「作品」が「製品」であることを止めて、その「場」でより雄弁に観客に語ろうとしているのか?という観点からこの本を読むと作品ある空間への認識が変わってくるのではないかと思います。
本の最後は、「Relational Aesthetics」とクレア自身の「Antagonism in Relational Aesthetics」で閉め。このパートは文章も短くされているので、October誌に書かれた原著を読んだほうがいいかもしれません。
例えば、自然現象を再現した作品で知られるオラファー・エリアッソン(Olafur Eliasson)はTATE tubine hallでの太陽を模した作品を紹介。表紙は草間 彌生(草間弥生)のNYでの伝説のパフォーマンス。
展示方法を工夫した絵画や映像含めれば、全ての作品がインスタレーションとして扱われるようになっていますが、 敢えてインスタレーションという形態的な分類からの語り口でClaire自身が解説を試みています。なぜ現代アートにおいて「作品」が「製品」であることを止めて、その「場」でより雄弁に観客に語ろうとしているのか?という観点からこの本を読むと作品ある空間への認識が変わってくるのではないかと思います。
本の最後は、「Relational Aesthetics」とクレア自身の「Antagonism in Relational Aesthetics」で閉め。このパートは文章も短くされているので、October誌に書かれた原著を読んだほうがいいかもしれません。
The Art of Participation 1950 to Now published by Thames & Hudson
SFMOMA(San Francisco Museum of Modern Art)でNov 08,2008 - Feb 08,2009に開催された「The Art of Participation 1950 to Now」展のエキシビジョンのカタログです。カタログというと薄そうですが大型本で211pもあります。(参考リンクSFMOMA "The Art of Participation 1950 to Now")
このカタログでは、1800年代からはじまって、50年代に大きく発展を遂げたフルクサスのハプニングアート、そしてCGやWeb2.0を使ったオンラインアートまで紹介されています。
参加型アートというのは、今日ではもっとも自然らしいアートの形としてアカデミックであれアウトサイダーであれ広く普及しているように思います。作家が作品へ観客を参加させること、観客がどのように作品と接していくかについては、特に「参加型アート」とジャンル分けしなくとも、アートと向き合う時には作家と観客の双方が考えなくてはいけなくなっています。小説に読み手が必要であるように、アート作品が「見られる存在」である以上、観客を無視して作品は成立し得ないからです。
この本で特筆すべきは豊富な掲載作家及び作品です、ジョン・ケージ、オノ・ヨーコ、ウォーホール、ナム・ジュン・パイク、アラン・カプロウ、ヨーゼブ・ボイス、マリーナ・アラモヴィック、フェリックス・ゴンザレス・トレース、フランシス・アリス、アーウィン・ワーム、CGやWebで作品を作っている若手の作家などなど全部書きませんが、作品と紹介文付きで大勢の作家が紹介されています。超有名なスーパーアーティストを含みますが、かれらの作品の中から「参加型の作品」を選んで紹介されているので、あのアーティストこんな作品も作っていたんだ!的な発見もあるかもしれませんよ。現代アートに興味がある方にはもちろん、生徒に参加型アートに関して突っ込まれるけど実は良く解らないんだという教育者の方にも良いと思います。志の高い生徒の為にも、今すぐに大学の図書館に収蔵してあげて下さい。写真も多いし、オススメです。
あと、参加型アート(Participatory Art)の作品の紹介ではなく、文献や論文が読みたい方には、Participation edited by Claire Bishopもおすすめです。
このカタログでは、1800年代からはじまって、50年代に大きく発展を遂げたフルクサスのハプニングアート、そしてCGやWeb2.0を使ったオンラインアートまで紹介されています。
参加型アートというのは、今日ではもっとも自然らしいアートの形としてアカデミックであれアウトサイダーであれ広く普及しているように思います。作家が作品へ観客を参加させること、観客がどのように作品と接していくかについては、特に「参加型アート」とジャンル分けしなくとも、アートと向き合う時には作家と観客の双方が考えなくてはいけなくなっています。小説に読み手が必要であるように、アート作品が「見られる存在」である以上、観客を無視して作品は成立し得ないからです。
この本で特筆すべきは豊富な掲載作家及び作品です、ジョン・ケージ、オノ・ヨーコ、ウォーホール、ナム・ジュン・パイク、アラン・カプロウ、ヨーゼブ・ボイス、マリーナ・アラモヴィック、フェリックス・ゴンザレス・トレース、フランシス・アリス、アーウィン・ワーム、CGやWebで作品を作っている若手の作家などなど全部書きませんが、作品と紹介文付きで大勢の作家が紹介されています。超有名なスーパーアーティストを含みますが、かれらの作品の中から「参加型の作品」を選んで紹介されているので、あのアーティストこんな作品も作っていたんだ!的な発見もあるかもしれませんよ。現代アートに興味がある方にはもちろん、生徒に参加型アートに関して突っ込まれるけど実は良く解らないんだという教育者の方にも良いと思います。志の高い生徒の為にも、今すぐに大学の図書館に収蔵してあげて下さい。写真も多いし、オススメです。
あと、参加型アート(Participatory Art)の作品の紹介ではなく、文献や論文が読みたい方には、Participation edited by Claire Bishopもおすすめです。
Participation edited by Claire Bishop
Whitechapel Gallery発行のシリーズの1冊。参加型アート(Participatory Art)を考える上で参考になる論文やExhibition Catalogueなどの文献を、批評家のClaire Bishop(クレア=ビショップ)が重要箇所を抜粋して紹介したずるい本である。有名所だとEcoの「Open Work」や、Bourriaudの「Relational Aesthtics」やClaire Bishop自身の「Antagonism in Relational Aesthetics」などなどの要約が紹介されており学生にはありがたい本。Félix Guattari(フェリックス=ガタリ)のChapsmosis:An Ethico-Aesthetic Paradigm (1992)や、Jacques Rancière(ジャッカス=ランシエール)のProblems and Transformations in Critical Art (2004)といったアートセオリーもしっかり紹介してあります。
<文献が抜粋されているアーティスト、哲学者、批評家>
Roland Barthes, Joseph Beuys, Nicolas Bourriaud, Peter Bürger, Graciela Carnevale, Lygia Clark, Collective Actions, Eda Cufer, Guy Debord, Jeremy Deller, Umberto Eco, Hal Foster, Édouard Glissant, Group Material, Félix Guattari, Thomas Hirschhorn, Carsten Höller, Allan Kaprow, Lars Bang Larsen, Jean-Luc Nancy, Molly Nesbit, Hans Ulrich Obrist, Hélio Oiticica, Adrian Piper, Jacques Rancière, Dirk Schwarze, Rirkrit Tiravanija
論文ではなく参加型アート(Participatory Art)の歴史や作品が知りたい方には、SFMOMAで開催されたExhibitionのカタログであるThe Art of Participation 1950 to Now published by Thames & Hudsonをおすすめします。
<文献が抜粋されているアーティスト、哲学者、批評家>
Roland Barthes, Joseph Beuys, Nicolas Bourriaud, Peter Bürger, Graciela Carnevale, Lygia Clark, Collective Actions, Eda Cufer, Guy Debord, Jeremy Deller, Umberto Eco, Hal Foster, Édouard Glissant, Group Material, Félix Guattari, Thomas Hirschhorn, Carsten Höller, Allan Kaprow, Lars Bang Larsen, Jean-Luc Nancy, Molly Nesbit, Hans Ulrich Obrist, Hélio Oiticica, Adrian Piper, Jacques Rancière, Dirk Schwarze, Rirkrit Tiravanija
論文ではなく参加型アート(Participatory Art)の歴史や作品が知りたい方には、SFMOMAで開催されたExhibitionのカタログであるThe Art of Participation 1950 to Now published by Thames & Hudsonをおすすめします。
One Place After Another by Miwon Kwon
One Place After Another: Site-specific Art and Locational Identity
Site-Specificとは、作品の所在(location)に関するアート用語で、60年代にランドアートとともに発展した重要な考えのひとつです。作品がギャラリーというホワイトキューブに存在して、作品の自律性や商品価値(commodity)偏重で空間を無視して鑑賞される傾向にあった。しかし、作品は所在で意味が変わることがある。それならば一番適した場所に最高の形で作品を置くべきだと。という考え方です。Robert SmithonのSpiral Jettyは、塩湖の塩が結晶化し風化・浸食を経ることで時間の経過のプロセスを印象付けますし、文明から遠く離れた荒野という場所がかえって人間の存在、文明について考えさせる効果があります。つまり、作品の所在が作品の意味を強化しなおかつ構成要素にもなっています。また、こうしたランドアートとして屋外に展示する作品だけではなく、Installation型の作品もその場に応じて空間を作るので考えるべき部分です。最近のアートは、壁に飾られたペインティング以外は、広く括ればインスタレーションなのです。Site-Specificは考慮するのが常識みたいなもんです。アートにとっては場所とか、国境とかもおもしろいテーマになります。
Site-Specificとは、作品の所在(location)に関するアート用語で、60年代にランドアートとともに発展した重要な考えのひとつです。作品がギャラリーというホワイトキューブに存在して、作品の自律性や商品価値(commodity)偏重で空間を無視して鑑賞される傾向にあった。しかし、作品は所在で意味が変わることがある。それならば一番適した場所に最高の形で作品を置くべきだと。という考え方です。Robert SmithonのSpiral Jettyは、塩湖の塩が結晶化し風化・浸食を経ることで時間の経過のプロセスを印象付けますし、文明から遠く離れた荒野という場所がかえって人間の存在、文明について考えさせる効果があります。つまり、作品の所在が作品の意味を強化しなおかつ構成要素にもなっています。また、こうしたランドアートとして屋外に展示する作品だけではなく、Installation型の作品もその場に応じて空間を作るので考えるべき部分です。最近のアートは、壁に飾られたペインティング以外は、広く括ればインスタレーションなのです。Site-Specificは考慮するのが常識みたいなもんです。アートにとっては場所とか、国境とかもおもしろいテーマになります。
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