2011年6月26日日曜日

ナショナル BM-400

ナショナルの真空管ラジオ BM-400 昭和37年製(1962)




写真だと結構きれいに見えるし音も出ます。しかし内部にはペーパーコンデンサーが使われているので、そのまま使うのは危険な状態。このまま使うにはちょっと問題があります。

真空管ラジオマニア的には、この前の時代の木製キャビネットでベークライトつまみラジオが珍重されるようですが、オークション的にはインテリアとして楽しめるこのプラスチックで大量生産タイプが人気があるようです。ここ数年で価格が倍々になってきているようです。団塊の世代が買いあさってレストアしているとか、映画「三丁目の夕日」の影響だなどと言われているようです。

ぼくのいたイギリスではアンティークは盛んです。新しい物の値段が高いというのも理由ですが、金持ちであってもどけちで清貧な彼らのライフスタイルをぼくは尊敬します。日本ではPSE法やら地デジ化とか、官財の癒着でバカな消費者にされてきた私たちですが、大量消費、大量破棄するよりは、古い物を大事にしたり、ずっと使うのは文化的な行為に思えます。この震災でパラダイムシフトが起こっているようで、日本でも価値観が大きく変わって行くのだと思います。

さて、このラジオの話に戻りますが
アメ車的に華美で自由なデザイン!意味も無く斜めからが特に美しい!しかし、中身はこの時代のよくあるトランスレス真空管ラジオなんです。性能で差がない分はシャーシで工夫していたらしい。スピーカーは二つあるけどモノラルである。もちろん、AMと短波とPhono(ターンテーブル)しか聞けない。

私は必要の無い物を持っているほどの余裕のあるような暮らしを送っているわけではありませんし、インテリア目的に買ったのではありません。作品のインスタレーションで使いたかったのです。(とは言っても、実用的といえるほどの合理性があるような気もしませんね…トホホ)

この50年前のラジオでiPhoneとかのプレイヤーからの音を鳴らす為には3つ方法がある。

1. AMトランスミッターを使う。FMトランスミッターはたくさんあるけれど、AM用は電波法的に問題があるようで日本製は無い。SSTRAN社製 AMT3000を取り寄せて組み立てるか、自力で自作してる人などから譲ってもらう。

2. PU端子(Phono)にステレオ→アナログへ変換したヘッドフォン出力を繋ぐ

3. 中身を抜いて アンプとスピーカーを入れる

吐き出すサウンドは、どんな音源も60年代になってしまう驚くべきは真空管ラジオという雰囲気フィルター。AMで受信しないともったいない。AMで視聴してみたけれど、あの時代の曲はびしゃっとはまるし、モノラルなのになんという音の厚み。どんなにデジタル加工してもおっつけない雰囲気がある。それにしてもAMって懐メロが多いのは、再生機の性能を考えてるのかな?それとも予算の問題かなあ。

とはいっても、とりあえず2でがんばってみようと思います。

その前に、点検と修理を頼まないと、最悪、火が噴き上げたり爆発したり家が燃えるような危険があるそうなので、業者さんのもとへドナドナです。昔、ヴィンテージのベスパにいくらお金をつぎ込んで直しても、またどこかが不調になるという地獄に陥った事があるのですが。一瞬、地獄が見えたので返品しようかと思いましたが。ま、やってみるさ

旧いものと付き合うには精神的、経済的、時間的なゆとりが試されますね。私には無理なのかも………トホホ。